銅の持つ自然の抗菌作用で用水路や排水路の環境を守ります守ります。
用水路や排水路の汚れの付着の原因は、微生物や細菌がする繁殖する「バイオフィルム」です。
バイオフィルム
バイオフィルム(biofilm)は、微生物が生物的な表面に付着し、粘り気のある多層構造を形成する生物学的な構造体です。バイオフィルムは、細菌、真菌、アルゲ、原生動物などの微生物が、糖やタンパク質、細胞外マトリックス(EPS)などの分泌物を使って表面に付着し、共同体を形成する現象です。
銅の抗菌作用
いまから100年以上前の1893年(明治26年)スイスの植物学者 ネーゲリーが「微量金属作用」というものを発見しました。微量金属作用とは、水などに溶け出した僅かな量の金属イオンが細菌類のはたらきを抑える効果があるというものです。近年ではコロナウイルスが流行した際にも銅の抗菌作用が注目されました。昔から医療機関で銅製の医療機器が多く使用されているのは銅が加工しやすく抗菌作用が高いことに由来しています。また図のように、銅管が大腸菌の繁殖を抑えるだけではなく減菌作用があることも実証されているなど非常に高い抗菌作用を持っていることが特徴です持っていることが特徴です。銅の水盤にはボウフラが発生しないとも言われています。コバエやナメクジなどの生物も銅イオンを嫌う性質があり、排水管から害虫を予防することが可能です。
銅の抗菌作用について
銅は、古代から現代にかけて抗菌作用が知られています。銅は微生物に対して強力な殺菌作用を持っており、その抗菌効果は広範囲の微生物に対して働くと言われています。
その働きは、主に銅イオンによるとされており、
細胞膜の損傷
(銅イオンは微生物の細胞膜を損傷し、細胞内の酵素やタンパク質の活性を変化させます。これによって微生物の生存能力が低下します。)
や、
DNAの損傷
(銅イオンは微生物のDNAを損傷させ、遺伝子の複製や修復メカニズムを妨げます。これによって微生物は増殖できなくなります。)
酸化ストレス
(銅イオンは微生物の細胞内で酸化ストレスを引き起こし、細胞内の酸化還元反応に干渉します。これによって微生物の細胞機能が乱れます。)
銅イオンの放出
(銅製品から放出される銅イオンが周囲の微生物に作用し、抗菌効果を発揮します。これは特に銅表面が湿っている場合に効果的です。)
といった銅特有の働きにより、バイオフィルムの発生を抑えることができます。
銅の抗菌作用は、病原性菌、真菌、ウイルスに対しても働きます。そのため、銅は医療機器、公共の場のドアノブ、手すり、銅製の調理器具、水道管、さらには建築材料など、さまざまな場所で抗菌目的で使用されることがあります。
水に非常に強い銅
銅は水に非常に強く、耐久性のある金属です。
古くは紀元前の古代ローマやエジプトなどでも水道の素材として使用されてきました。
排水路や用水路に銅を使用することで、薬剤に頼ることなくバイオフィルムの発生を抑え、衛生的な環境を衛生的な環境を保つことが可能です。
人体への影響は無いとされています。
銅は、人間の体内で必要な微量元素の1つであり、銅は赤血球の形成、骨の形成、免疫系の機能、神経系の発達などに関与しています。健康な人間にとって、銅は必要な栄養素であり、バランスの取れた食事を通じて体内に取り入れられます。
一方で、過剰な銅摂取は毒性を引き起こす可能性があります。この状態は「銅中毒(copper toxicity)」として知られています。しかし、銅の融解量は非常に微量で、水流によって排出されていきます。地下水を常用的に飲む地域では心配される方もいるかもしれませんが、基本的に銅排水路に沈殿している水を飲むなどのことが無い限り、環境にも安全な金属と言えます。
用水路・排水路の設計からご相談に応じますご相談に応じます。
荒川鈑金工業所では、銅水路の設計・施工に長く携わってきました。食品加工会社や医療機関など、衛生環境に注意が必要なお客様からの問合せも多く、最近では工場や一般家庭の排水路の設計施工も行っております。銅水路に興味をお持ちの方はお気軽にご相談ください。